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東京
2024/08/30

グローバルな視点から事業を支える|内藤裕治

株式会社テクノスケープ 代表取締役

株式会社テクノスケープ 代表取締役 内藤裕治 さん

広島県生まれ。日本の大学で工学部、米国でMBAを卒業し、日本の電気部品メーカーに25年間勤務。研究開発部門に所属し、その後米国に駐在して新技術の調査を行う。2009年、ロサンゼルスで海外技術コンサルタントとして起業。駐在を含めて17年間、米国から日本企業のイノベーションを支援してきた実績をもつ。2022年に拠点を日本に戻し、株式会社テクノスケープとして活動を継続中。

米国から見えた日本

今の仕事をはじめられたきっかけを教えてください。

きっかけは、特定の何か1つではなく、人生で起きた様々な出来事の積み重ねにあります。電気部品メーカーの社員として仕事をしている中で、コンサルタントという仕事を知り「いつかやってみたい」という思いを持ちました。当時はまだ珍しかったMBAも取得したため、どこかで活かしたいという考えもありましたね。独立は、いつかはしてみたいと考えていましたが、会社の仕事が面白かったこともあり、気がつけば25年間同じ会社で働いていました。2005年に海外での新技術調査のため米国に赴任し、リーマンショック後の2009年に帰国するまで、現地で新技術の調査を行っていたことは、現在の仕事の軸になっています。日本に帰任し、米国との働き方のギャップや、自分を取り巻く環境を見渡して、独立することを決意。再び渡米し、ロサンゼルスにて、海外技術コンサルタントとして起業しました。最初の2年間は、全くダメでしたね。それまでの取引先に声をかければ上手く行くだろうという当初の目論見は見事に外れました。そこからは、頻繁に日本に出張して、企業を訪問しては売り込みを行いました。今ではみなさん大切なお客さまですが、当時はゼロからネットワークを再構築する必要があったため、本当に大変でしたね。その後13年間ロサンゼルスでコンサルタントをした後、2022年に帰国し、株式会社テクノスケープとして事業を継続しています。

仕事の特徴は、どのような点にありますか?

業務は主に『海外の技術調査・アライアンス支援』『ソロプレナー養成プログラム』の2つのサービスを提供しています。『海外の技術調査・アライアンス支援』では、クライアントの研究分野に影響を与える、海外での発信や論文などから、コンサルタントとしてレコメンデーションや、国をまたいだ企業間の橋渡しを行っています。現在では、情報提供に留まらず、クライアントの研究成果を事業化するための事業戦略をサポートする仕事もしています。『ソロプレナー成プログラム』は、企業を対象に行っている、社員の生産性を高めるためのプログラムです。米国と比較すると日本人の働き方は、効率が悪いと言わざるを得ません。一方で、そのことに課題感を持って改善に取り組んでいる企業は少なく、ここ10年で日本企業の生産性は二極化してきていると感じています。本プログラムは、社員一人一人が起業家としてのマインドセットを持ち、仕事の生産性を高めていくことを支援するものです。

企業の成長を外と内から支える

どんなお客さまが多いですか?

『海外の技術調査・アライアンス支援』は、中堅企業から大企業まで、メーカー技術商社から、新技術に関する調査などを依頼されています。これは外の情報を収集・分析して企業の成長を支える仕事です。得意な分野としては、電気電子半導体化学などですね。多くはリテーナー(継続)契約で、通常は1~2年、長いものでは10年以上契約が続いています。集めた情報などを元に、月に数回のミーティングを行うスタイルですね。また、数ヶ月だけ調査を行うスポットの仕事も引き受けています。『ソロプレナー養成プログラム』は、社員個人が起業家マインドを習得して仕事の生産性を高めることを目的とした社員教育サービスです。これは内側から企業の成長を促す仕事です。「社員が自信を持つと転職してしまうのでは」と心配される人事の方もいますが、それは逆です。社員が自分のスキルや能力を伸ばしてそれを会社の業務にフィードバックすることで、仕事の生産性を向上させ、会社も社員もWin-Winの関係を築くことができます。

今後について教えてください。

イノベーションや新規事業のサポートをするためには、常に新しい技術やビジネスモデルの知識を勉強する必要があります。そこがこの仕事の楽しいところであり、それでクライアント企業の成長に貢献できるのは喜びでもあります。技術調査やアライアンス支援の仕事は、クライアントからの依頼がある限り続けて行きたいと思っています。一方、長年米国から日本を見て、日本企業の成長の一助になればと始めた社員教育の事業は、まずはソロプレナーのコンセプトを広めるところからやって行きたいと考えています。遠くない将来、ソロプレナーを理解してくれる仲間を増やして、活動の輪を広げていくことで、日本企業とそこで働く皆さんの力になっていければ嬉しいです。

インタビュー後記

周りから“自己責任型独立仕事人”と呼ばれる内藤さん。グローバルな視点で企業と社員の両方を支援する活動は新鮮でエネルギッシュ。内藤さんが作り出す”自己責任型社員”が楽しみだ。

お問い合わせ

名前:株式会社テクノスケープ
住所:東京都千代田区九段南1-5-6りそな九段ビル5F

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